共和制ローマ

昨日今日と会社を休んで暇だったので、何度も挫折している共和制ローマのルールをかなり読んでみた。今回の読み込みでだいぶわかった。

そもそもわかりにくいゲームだが、ゲームの終了と勝利条件を把握することでだいぶ理解できる。

共和制ローマルール概要

1.手順

 1ターンは以下の7つのフェイズからなる
 Ⅰ.死亡フェイズ
 Ⅱ.収入フェイズ
 Ⅲ.フォーラムフェイズ
 Ⅳ.人口フェイズ
 Ⅴ.元老院フェイズ
 Ⅵ.戦争フェイズ
 Ⅶ.更新フェイズ

2.勝利と敗北

 あるプレイヤーが以下の勝利条件を満たすか、敗北条件が満たされた場合ゲームは終了
 する。

 勝利条件:
 (A)元老院に忠実な議員が35以上の影響力を獲得し、彼とローマがそのターンの終了時
   まで生き残った場合
 (B)反乱議員がローマへの進撃中に元老院軍を破り彼とローマがそのターン終了時まで
   生き残った場合
 (C)元老院が終身執政官を選出し、彼とローマがそのターン終了時まで生き残った場合
 (D)内乱中にローマが破産するかPeopleRevoltによって倒された場合で4つの戦争によ
   ってローマが倒されず、反乱側議員がいる場合
 (E)フォーラムの山から最後のカードが引かれた時、他の勝利/敗北条件が満たされない
   場合そのターン終了時に各議員の影響力の合計が最も大きい派閥

 敗北条件:
 (A)戦争フェイズ終了時、4個以上勃発中の戦争が存在する
 (B)内乱状態にない時の人口フェイズにPeopleRevoltが発生する
 (C)内乱状態にないときに自然災害または不吉な前兆が発生しローマがこれに対して金
   銭を支払えない場合
 (D)内乱状態にない時の収入フェイズ中にローマが要求された金額を支払えない時

 これをゲームの終了でまとめると以下のようになる

 ゲームが終了する条件:
 (a)元老院に忠実な議員が35以上の影響力を獲得し、彼とローマがそのターンの終了時
   まで生き残ったとき[ターン終了時点判定]
 (b)反乱議員がローマへの進撃中に元老院軍を破り彼とローマがそのターン終了時まで
   生き残った場合[ターン終了時点判定]
 (c)元老院が終身執政官を選出し、彼とローマがそのターン終了時まで生き残った場合   [ターン終了時点判定]
 (d)ローマが破産したとき(自然災害または不吉な前兆に対して、または収入フェイズ
   に要求された金額に対してローマがこれを支払えないとき)[収入フェイズ、フォー
   ラムフェイズ]
 (e)戦争フェイズ終了時に4個以上勃発中の戦争が存在するとき[戦争フェイズ終了時]
 (f)内乱状態にない時の人口フェイズにPeopleRevoltが発生するとき[人口フェイズ]
 (g)フォーラムの山から最後のカードが引かれた時のターンの最後
   [ターン終了時点判定]

 最長でフォーラムの山が最後まで引かれた場合となる。
 カードの束は64*3=192枚。うち、18枚のイベントカードと15枚の属州カードは除去し、
 20枚の白い元老院カードからプレイヤーに三枚ずつ配る(6人だと18枚)と1枚の第一 次ポエニ戦争カードを除いたカードとなるので、基本だと
 白カード枚数=192-(18+15)=159
 フォーラムの山の初期枚数=159-19=140枚
 基本的にイベントが発生しない場合毎ターン6枚フォーラムカードはフォーラムフェイ
 ズに引かれるため、ターン数は140/6=23.Xで24ターンとなる。
 実際にはイベントが一定の割合で発生するのでもう少し多くなるであろう

 勝利する方法は大きく分けて
 (1)影響力を高める(これは終身執政官として選出される条件でもある)
 (2)反乱を起こす
 の二つとなる。

このゲームは色々なことが出来るのだが、基本的には議員(兼将軍)達の派閥を操って、ローマを反映させたまま一党独裁体制を作り出すことである。

そのためには派閥の議員の影響力を高めることが大事である。がそれには色々な方法がある。また他の派閥の議員を引き抜くことも暗殺することも可能である。これらに対抗するためには議員の個人資産を増やしたり派閥の資金を増やす必要があるが、これらを増やす行為は多くの場合影響力を下げたり、告発されやすくすることになる。複雑に色々な要素が影響しあうジレンマにプレイヤーはさらされるのであろう。

基本的には議会ゲームであり、戦闘はかなり抽象化されている。がポイントは共和制ローマっぽく抑えてある。たとえば執政官だが、戦闘部隊の指揮を取れるのは、執政官と独裁官のみである。(執政官は2ターン続けられないが、もし戦争が終結しない場合は執政官職を失い、プロコンスルという将軍のみの役職として戦い続けることが可能)。通常独裁官は強力だが権力が集中しすぎるため選出しないため、執政官の2名が対外戦争を対処することになる。すなわちローマが通常対処できる戦争は最大で2なのである。そのため3つの戦争が起きてしまった場合、同時に対処するためには独裁官を選出するのがよいのだが、独裁官は通常より非常に軍事力が強力になるさまざまなルールがあり、反乱を起こしやすくなるという問題もある。またランクが最も上(独裁官が最上位)の官位を持つ派閥が元老院を牛耳りやすい(すななち議長として、自由に議題を持ち出せる)ため、上級官位を持った議員を自派閥に置きたくなるのである。ただし、元老院で影響力を行使するには、戦争に行かずローマにとどまる必要がある。

このようにジレンマだらけのルールだらけ、かなり上級ゲームであるのは間違いない。(W