AGOT研究 公家カード分析 その2

ラニスター家
攻撃型とも言われるが、実際には勝ち馬に乗るタイプのカード構成。勝っている時はさらに強力になっていくというのがラニスターの特徴で、勝つためのカードというのは、実際にはホウトのみ。しかし、ホウトはこの手の戦力アップ型の中ではかなり使えないカードなので、基本的には戦力で勝たなければならない。ラニスターの位置的な不利さを考えると、最も外交努力を要求される上級者向けの家とも言える。
 1)ジェイム:
勝つと2パワートークンを得られる。これは全く戦闘自体には関係ない能力であり、勝ったときのおまけ程度である。そういう意味では、ティリオンより使えない。(ティリオンは2戦力で城*1)これは原作での活躍を思えば仕方ないことなのかもしれないが、大事な3枚の特殊カードの1枚が(それも2戦力のものが)これではかなりつらい。
 2)サーセイ:
勝てば1部隊を相手から除去できる。城で防がれる可能性もなく、選んで除去できることから、除去能力としては非常に強い。ただし、サーセイ自身は0戦力と弱く、このカード自身は勝利には全く貢献しないので、しっかりと戦力を集中しないといけない。しかし、周りを敵に囲まれたラニスターはこの包囲を突破する必要があり、それにはサーセイは何も貢献できないというところがやはりつらい。
 3)ホウト:
ラニスターで唯一勝利に貢献できるカード。歩兵を2戦力にするのだが、同じタイプのロブに比べて元が歩兵な分、かなり差がある。ロブが騎兵4部隊で、合計14戦力になるのに対して、歩兵4部隊で、8戦力にしかならない。ホウト自身の戦力が、2ぐらいならかなり強力なのだが、このあたりがかなり残念。原作では2巻までで、全くといっていいほど活躍の場が無いことから仕方ないか。

④バラシオン家
バラシオン家は非常に攻撃的で、使えるカードが多い。レンリーはいまいちだが、他の2枚は非常に強力であり、相手に多大なるプレッシャーを与える。常にこの2枚を念頭においてバラシオンとは戦わなければならない。このプレッシャーを上手く使えればバラシオン家は強力である。逆に言えば、上手くブラフができなければ、直接的なカードが少ないだけに、難しい。
 1)レンリー:
勝った後、歩兵を騎兵に変える。自身の2戦力もあり、この能力は利用できる可能性もある。が、騎兵は4ユニットしかないため、恐らく終盤でよほど負けていない限り、この能力は使えない。それでも、2戦力は貴重なので、とりあえず有益なカードではある。原作ではスタンニスとの仲は最悪だが、ゲーム中では兄(スタンニス)を支える弟として、そこそこ活躍するだろう。
 2)メリサンドラ:
実際はかなり強力なカード。このカードがバラシオンの手の中にあると、バラシオン相手には、戦闘で負けるわけにはいかなくなる。勝った後、相手の手札から1枚選んで捨てるカード。実質2枚を捨てさせるわけで、かなり良い。多くの家で、戦力3こそが、実質的な切り札であることを考えると、戦力差2で攻撃するときには、戦力3のエースを投入しておかないと危なくて仕方ない。メリサンドラに負けないために、戦力3を使わせるか、メリサンドラに負けて戦力3を捨てさせるといったことが可能だ。前者なら実際は他の戦力1カードあたりを出しても効果は一緒。これはかなり強い。というか、その存在が脅威。唯一の天敵は茨の女王だが、まぁあまり問題は無いだろう。
 3)サーン:
船による支援を0にする。これは非常に強力。細長いこの戦場では、船による支援効果はかなり大きい。それは防御でも攻撃でもそうだが、このサーンがバラシオンの手にあるといきなり船による支援がリスキーになってくる。無論海戦においても有効だ。バラシオン艦隊が攻め込む時にもこの能力があるとかなり有利だ。残念なのが、恐らく最も有効であろう、グレイジョイと戦うには、あまりにもバラシオンが遠くに位置しているということろか。
ティレル
ティレル家は比較的攻守両方で使えるカードが多く、そのどれもが勝利に近づくためのカードであることから、バランスが取れている。特に戦力ゼロのカードがどちらも強力なため、全体としては非常に有利に戦闘を展開できる。惜しむらくは、南の果てでソロプレイになりがちなティレル家の位置が、このカード達の有効性を奪っているともいえる。
 1)ロラス:
戦闘に先立っていきなり歩兵を1つ除去する。ティレル家の周りで、歩兵一つで守っている箇所は、どんなに支援しようが、防御+2を置こうが落ちたも同然となる。このカードを無効化できるカードは同じティレル家の茨の女王だけなので、実質無敵に近い。戦力2というのも強力で、歩兵を含む部隊は歩兵を一つ失う計算をたてなければならない。対応は騎馬部隊をティレル国境に置くことだが、1枚のカードにそれだけ対応していてはいかん。押しも押されぬティレル家のエースである。
 2)ブリエンヌ:
防御指令を除去する。攻撃にしか意味は無いが、それでも非常に強力。特に防御+2を除去できるのは、かなり強力。とはいえ、彼女自身は戦力0なので、きちんと軍勢を用意しないと結局は勝てないところがかなりがっかり。原作では、ほとんどティレル家の役に立たなかった美人のブリエンヌだが、ケイトリンに対しては最強の対抗となることは、何か因縁めいたものを感じる。しかし、このイラストなんとかならんか。これではまるで妖怪人間だ。(A Clash of Kingsではもうちょっとましなイラストになる)
 3)茨の女王:
相手の特殊能力をキャンセルする。基本セットでは唯一のキャンセラー。(A Clash of Kingsでは何枚か同じ能力をもった公家カードが出てくるが)。戦闘を優位にする能力および勝ったら・・というカードまであわせて無力化する。かなり強力。残念なのは、0戦力であるところだが、キャンセルしたい能力保持者の大半が戦力0であることを考えると、それほどデメリットではないかも。