最後から二番目の真実

最後から二番目の真実 (創元SF文庫)

SF作家の中では大好きなほうに入るフィリップ・K・ディックの比較的初期の作品。サンリオSF文庫しか昔は無かったらしいが、新訳で創元から出た版を図書館で。久しぶりに図書館行ったらこういうのがゴロゴロしていてちょっとうれしい。

脳が麻痺するくらい、仕事で疲れてきたらディックを読むことにしている。疲れたときこそディックだと思っている。疲れたときのスコッチと同じ感覚。(笑

あいからわらず、ディックは重苦しく、閉塞感たっぷりな中で、意味があるような無いようなストーリーがしびれる。

とはいえ、ディックには珍しく(と思っているだけかもしれないが)、なんか達成感のある終わり方。これはこれで普通にいいかも。

米ソ陣営の全面核戦争が始まって15年。人類の大半は地下に退避し、過酷な環境で戦争用のロボットの生産ノルマに追われながらぎりぎりの生活をしている。しかし、実際は核戦争は13年前に集結しており、地上はごく一部の特権階級に支配されており、地下にいる大半の人類は全くそれを知らなかった。
そして、ノルマを達成するために有能な技師の命を延命するため、人工臓器を入手するために一人の男が、無理やり地上に行かされる。時を同じくして、地上では一つの極秘ミッションが開始されていた・・・

てなかんじ。ちょっと無駄な描写もあるような気がしますが、けっこうぐいぐい読めます。