永遠の0

永遠の0 (講談社文庫)

永遠の0 (講談社文庫)

はるたむお勧めなんで、読んでみました。まぁ、前から気になってはいたのですが。
謎の人物(祖父)の実態に迫るために、当時を知っている人にインタビューしていく孫が、徐々にその人物の真実に近づいていく。このフォーマットは、まさに「壬生義士伝」と同じ。
壬生義士伝は、インタビューだけでなく、その当の本人の一人称形式と交互に話が進むかなり凝った構成で、書き手の上手さも必要なテクニカルなものだったが、この作品はそこまでややこしくは無い。
そのためもあって、スッキリしたわかりやすい文章に。

内容的にはゼロ戦パイロットで、最後は特攻隊で死ぬという話なのだが、この本が今ベストセラーになるというのは逆に特攻隊やゼロ戦パイロット、太平洋戦争の実態が忘れ去られてつつあるということなのかもしれない。

同じスタイルの小説として、壬生義士伝が非常に良くできていたので、それほど泣くほどのことは無かったのだが、この永遠の0も良くできた小説で、読後感も悲惨な戦争の話の割には爽やかささえ感じる美しい話なので、映画も見てみたくなった。でも、イメージは岡田君ではなくて、中井喜一なんだよなぁw