ジャッカルの日

ジャッカルの日 (角川文庫)

今更感もあるが、活字に急に飢える時期があり、たまたま親から借りて手元にあったこれを読んでみる。良く考えてみたらフレデリック・フォーサイスは読んだこと無い。

まさに暑い夏にもってこいの読み応え。けっこう淡々と暗殺の準備をジャッカルが進める日々を、なんの感情も交えずに書き続ける。淡々としているがプロゆえの執拗さこそに熱量がこもっている気がする。

こういう感じは、どことなく大藪春彦にも通じる気がする。だからフォーサイスも気に入ったのかもしれない。

ある意味予定調和的に事件は解決するのだが、そしてそれは冒頭の部分で予告されているにも関わらずサスペンスとしてよく出来ているのが凄いかも。古典的名作はそれなりのものがあるということ。