終戦のローレライ 4巻

ようやく読み終わる。全4巻の割には長さを感じさせない。あっという間の出来事のよう。読後感もすこぶる良い。「亡国のイージス」もなんともいえない読後感で良かったが、この作品も良い。

亡国のイージス」で描かれるたくさんの男たちは、その多くが何かを成し遂げられず、無念な感じが残るような気がするが、この作品に出てくる男たちの多くは、何か最後には救われているような感じがする。それだけ一人一人を掘り下げて書いているからかもしれないが、日本人でもこれだけしっかりした話を書けるというのは嬉しいと思う。

「文庫が出たら買おう」「試験が終わったら買おう」と先延ばしにしていたが、待ったかいがあり、大満足な物語だった。次回作に期待。

終戦のローレライ(4) (講談社文庫)