アーカム探偵綺譚

 

 

日本語版でこれが読めるとは楽になりました。

ということで、年末にちょこっと本屋で買って読んでました。

謎解き重視のトレイル・オブ・クトゥルーのシナリオ集と言うことで期待大です。

アーカムとありますが、基本的にニューヨーク近郊が舞台です。また探偵とありますが、どちらかというと警察寄りの事件が多いです。警察か連邦警察関係者がいないと成り立たないシナリオが多いです。

一応キャンペーンと書いてありましたが、5つのシナリオの関連性は低く、必ずしもキャンペーンとして実施する必要はないようです。順番はよくよくと一部には順番を意識したほうが面白い設定もありますが、必ずしもそれに従う必要もないようです。

内容的には短めのシナリオが5つです。そこまで込み入ってないですし、登場する人物も多くないです。シナリオの書き方はなかなか面白くて、これがアクション中心なのか、会話中心なのかがシナリオに書いてあります。こういうのはわかりやすくて良いですね。

また読んでおくと良いラブクラフトの小説がまるまるひとつ新訳で入ってます。参考小説を仕方なく買ってる身としてはありがたいですし、初心者キーパーにもおすすめですかね。

シナリオ的には結構難しいのが多そうです。一応流れはある程度ついているので、キーパーが悩みすぎる事はないと思いますが、最後プレイヤーがどうするのか興味深いシナリオがいくつかあります。また本来のキャラとは別にショートシナリオを別のキャラでやってから、本編に入るパターンのシナリオは実に面白いです。ここでの行動が本編に影響するというのは良いアイデアです。ただ、そのアイデアをどう使うのか、具体的にあまりシナリオ自体には書いてないので、キーパーやプレイヤーがどう振舞うかでこのアイデアは面白さが大きく異なるのが難しそうです。

時代的には30年代シナリオで、通常のクトゥルフとルールが違うので、簡単に20年代クトゥルフと連携できないのは残念ですが、面白そうです。

このシナリオはインスマス襲撃と深く関わっているシナリオが一つあります。なので、インスマスからの脱出をやってからの方が良い気もしますが、ちゃんと連携しているのかどうか確かめていないのでちょっと心配です。

トレイル・オブ・クトゥルーシリーズはいっぱいシナリオ出ているので、どんどん出してほしいですね。とくにキャンペーンを。今後も楽しみです。